加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
加納楽屋口


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日本髪記録 003
 布天神(きれてんじん)

今まで結った髪型の中で一番軽い髪型。
時代劇でもおなじみの銀杏返しに布をかけた髪型です。
銀杏返しは結う位置や大きさで幅広い年齢を表現できるそうです。
少女から長屋の女将さんまで・・・・あ、てんちょのは若い娘さん仕様ですよ〜?

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 003 布天神

お正月です〜


やっぱり日本髪で年を越してみたい・・・・そんなわけで三回目です。

お世話になっている先生の所には他にも日本髪の予約が入っているようでとてもお忙しそうでした。毎年そうなのかな?と思っていたのですが、ここ1〜2年のことだそうです。
「七五三は毎年何人かやらせてもらうんだけどねぇ・・・。年末に何人も結うのは初めて」とのこと。

空前の和ブームで日本髪も流行ってきているんでしょうか?


その昔、お正月に日本髪を結う人が多かった頃は美容室の方で結う順番を決めてお客さんに通達し、大晦日から夜通し髪を結ったそうです。年も明けきって、結髪が皆仕上がった後に初湯に行くのが結髪師のお正月だったとか。
ちなみに、結髪の順番は問答無用なので、夜中の人も明け方の人もあったそうですが、当然の習慣だったそうなので、それもまた暮れの風物詩だったのでしょうね。

○髪型

髪型は、布天神です。
今回は先生におまかせで結って頂きました。
先生曰く、「唐人髷より可愛い」とのこと。
銀杏返しに布をかけた髪型になります。お正月なので髪飾りに稲穂を付けていただきました。

手絡の前を簪で止めていないと本当は「天神」ではないらしいのですが、かなすぎ美容室では「布天神」で通っているのでこの名称で。

先生が結う前に見せてくださった写真はもっと粋な姉御風だったので自分に似合うか心配だったのですが、先生はめいいっぱい可愛く結ってくださいました。
今までの髷で一番初々しいと家族には好評でした。

銀杏返しは時代劇でおなじみですよね。
大きさや結う位置で幅広い年齢層を表現できるそうです。少女から長屋の女将さんまで。こんなに年齢幅の広い髪型って珍しいと思うのですが。
バリエーションもいろいろあって、布をかけた布天神、輪の片側を切りっぱなしにした切り天神なんていうのも銀杏返しの仲間らしいです。少女の髪型として知られる桃割れや唐人髷も途中まで結い方がこの銀杏返しと同じなんですよ。
髷の種類としては輪物という分類で、日本髪の中では一番軽いそうです。実際とても軽くて安定が良いので楽ちんでした。

もっとこの髪型の写真を見る

日本髪図鑑 003 布天神
日本髪図鑑 003 布天神
日本髪図鑑 003 布天神

松の内限定の飾り、稲穂にご注目。
これは美容室で付けてもらった物。

日本髪図鑑 003 布天神

途中で付けてもらったのがとれてしまい、 お正月飾りから失敬したのですが、本当はこんなに長く付けちゃいけないそうです。玄人さんじゃないから、お嬢さんならちょっとでいい!とのこと。

○感想

ノリノリで!

せっかくなので踊ってみる・・・?
片身変わりの着物ってステキですよね。

帰省の都合や、年始のお休みなどで結っている期間が長かったので本当に保たせられるか心配でした。でも、がんばって保たせましたよ。髪型が頭の高い位置でしっかりまとまっているタイプだったのでそれがよかったのかもしれません。乱れも少なくて、毎朝の手入れが簡単でした。

そして何よりこの髷は軽い!!日本髪の間はどうしてもいつもより頭が重いので勢いよく振り向いたり上を向いたりできないんですが、この髪型はできちゃいました(←するなと言われましたが)。

普段の行動や睡眠が楽な髪型でとてもよかったのですが、ひとつだけ苦労したのが簪の挿し位置。前回までの島田系の髪型よりも根の位置が頭頂部に近く、前挿しを挿そうとすると必ず前髪か根の元結いに当たるんです(涙)。先生はいとも簡単に挿してくださったので自分でもできると思ったのですが、なかなか挿すコツがつかめず外出前に一人で鏡の前で、ああでもない、こうでもないと・・・・。なので、せっかくお正月用に梅の簪を挿しているのにどの写真でも簪の位置が微妙なのです。

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