加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
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日本髪記録 015
 後勝山(うしろかつやま)

通常の勝山と結い方が逆なのです。
武家の妻女の格式ある髪型である勝山に対し、この後勝山は役所でいえば田舎娘の髪型だとか。

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 015 後勝山

さすがに暑さやら湿気やらが無視出来ない季節に・・・。でも、今年は「月一日本髪」が目標なのでがんばります。
今回は写真で一目惚れした後勝山。
勝山の方がずっとメジャーな髪型なのに、マイナーなほうからやることになりました。輪っかの向こうに景色が透けて見えるので涼しげと案外好評でした。

○髪型

日本髪図鑑 015 後勝山

後にボリュームがある感じが
おわかりいただけるでしょうか??

人形浄瑠璃のカツラ写真で見た髪型です。
通常の勝山は武家妻女の髪型としてかなり格式高い印象ですが、後勝山になるとど〜んと格が下がるのは何故なのかなぁ?

後、というのは通常の勝山と結い方が逆なところに起因するようです。通常勝山は毛束を後から前へ倒して髷にしますが、後勝山は前から後へ毛束を丸めます。なので、勝山のように嵩は出ず、日本髪にしては髷が下に下がった印象です。

系統としてはやはり勝山系かと。
軽くて保ちの良い髪型でした。


「後」とつく髪型には他に「後ふく髷」というのがあるようです。
形としては桃割れの上が割れて下がしまっているような形。名前からしても、京都の年長の舞妓さんがするおふくという髪型をひっくり返した髷かと思われます。
結い方も・・・・後勝山のように逆なのかな?資料不足でそのあたりは不明です。

もっとこの髪型の写真を見る

日本髪図鑑 015 後勝山

髷巾は江戸の勝山風に狭くして涼しげに

日本髪図鑑 015 後勝山

髷のボリュームが下に来るので、根の位置は輪物なみに高いです
普通の勝山はもっと低い位置に根をつけます

日本髪図鑑 015 後勝山
日本髪図鑑 015 後勝山

○感想

日本髪図鑑 015 後勝山

軽くて楽ちんでした。手入れも難しくなかったし。
輪っかの向こうに景色が透けて涼しげと周りにはよくいわれましたが、夏限定の髪型ではないようです。冬だったら寒々しい・・・・なんてことはないですよね。

髪型としては、なんというか、ぽってりとしていて普段かっちり形の決まった髷が多いだけに、印象がだいぶ違っていました。田舎娘の髪型だけに、「野暮可愛い」感じ!?通常の勝山の印象が武家妻女のきりりっとしたイメージが強いだけにそう感じるのかも知れませんね。

布で結ぶより涼しげでは、という先生のご提案で、前髪には和紙を結んで、先に紅を付けていただきました。
芸者衆がよくする飾りとのこと。

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