加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
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日本髪記録 006
  鴛鴦(おしどり) 東京・雄

東京の鴛鴦は桃割れと聞いてチャレンジです。
同じ名前の髪型でもこんなに違うんですね。桃割れ鴛鴦は、結綿の鴛鴦より子供っぽいかも。
今までで一番若くて可愛い頭・・・だと思われます。

○いきさつ・・・

006 鴛鴦(東京)

桃割れ系はやっぱり若いです

今年のGWはすごかったですね。2日だけお休みすれば特大連休!皆様は何をして過ごされましたか?

てんちょは2日追加のお休みを取ってどこかへ行こう!という積極性はゼロなので追加休暇なしでぽちぽち会社に来つつ、せっかくの機会なので日本髪を結わないてはないな、ということで。てんちょにとっては日本髪が現在最大のレジャーです。

袷前半戦終了記念でもあります。たぶん単衣〜薄物の間はやらないと思うので・・・。着物もないし、暑くなると日本髪自体が日持ちしないのです。
夏になって思い立ったらももかんさんに倣って「真夏勝山」をやってしまうかも知れませんが・・・。

○髪型

006 鴛鴦(東京)

銀杏返しっぽいです

念願の・・・・

ここまででやめれば
桃割れ!!(←強調)

完成〜!

尻尾がついて鴛鴦に

「桃割れを・・・」と言い続けて、玉砕していたので手を変えて今度は「東京のおしどりを・・・」とお願いしてみたら一発OKだったのでちょっとびっくりしました。尻尾がついただけでも髪型的には桃割れより鴛鴦のほうが対象年齢が上のようです。

髪型としては桃割れに思い羽の毛をかけて鴛鴦に。ちなみに雄。
下町の良家の子女が結った髪型だそうです。
本によって「関東の鴛鴦は雄のみで雌はない(雌に思い羽はないため)」という記述もあるのですが、先生に伺った話では桃割れに思い羽がついたのが雄、唐人髷に思い羽をつけたのが雌だそうです。

京都のお染という髪型によく似ています。写真で見比べた限りでは判断つかないかも・・・。でも、京都と東京では髷自体の結い方が違うということなので、実物で見れば結い上がりの細部や雰囲気は違っているのかも知れません。

東京の桃割れは途中まで結い方が銀杏返しと同じで、髪は二つの輪になっています。その前を閉じて一つの髷にしています。なので、髷の根近くに独特のねじりが入ります。
京都はあまり二つのパーツにはわけないそうです。わけた場合も、前を閉じきらず中の手絡をちょい見せする関西風の桃割れにするらしいです。

少女の髪型として知られる桃割れですが、なかなか実物を見る機会はないような気がします。
時代劇の娘さん達は銀杏返しが多いし・・・。 本の挿絵など見ると桃割れを結っているのは本当に童女というくらいの女の子だったりするので年齢もあるのかもしれません。 そんな若いというか幼い髪型ながら「若々しい桃割れ」と「ちょっと年取った桃割れ」があるそうです。日本髪って奥深いですね。

先生の説明を聞いて「私って年取った桃割れ?」と思っていたてんちょですが、後ろで写真を撮りながらチェックしてくださったももかんさんによると「若向き仕様ですよ!」とのこと。やった〜v

後ろとお揃いの縮緬を尻尾の下に敷いてもらうと、「この髪型、ただの桃割れより可愛いかも・・・」と思いました。ボリュームもあって、本当に若い髪型なんだな〜と実感。

○感想

006 鴛鴦(東京)

かわいい簪を貸していただきました

若いよ・・・・。

日本髪って、本当に髪型に年齢があるんだと改めて思いました。
中に厚紙の芯を入れた髷は頭の上でしっかりと存在を主張。「頭の上に肉まん乗ってます」って感じ(←どんな感じ?)。頭の上に出っ張るので目立ちます。尻尾の下に敷いた縮緬がちらっと色をのぞかせるのも本当に若い娘さんという感じ。
輪物なので布天神みたいに軽いかと思っていたのですが、頭の上に張り出すので布天神よりは多少重く感じられました。

髪型のせいか、先生が可愛らしい髪飾りをたくさん付けてくださったのでさらに若さアップです。
前回割り島田では玉簪と櫛のみでとてもシンプルにまとめていただいただけに今回は派手な感じになりました。
櫛と平打ちも以前借りたものより大きめ。 (←若いなぁ)
前はチリカンの前挿しに大きめのつまみ簪を櫛の脇に添えて。(←お嬢さん♪って感じですよ)
華のある髪飾りがつくと本当に「下町の良家の子女が結った」という解説にぴったりだと思いました。

例のごとく毎朝尻尾の毛が爆発していたのでそういう意味でも解説が正しかったと・・・・。
尻尾を綺麗に整えてくれる人手がないとだめなんですね・・・。
え?てんちょが手入れ下手なだけですか?それとも寝相が?

髷の手入れはイマイチでしたが、日本髪体験も六回を数えて、だいぶ鬢の手入れはうまくなりました。
しぼんできたら櫛の柄を入れて復活させるようになってしまいました・・・慣れってオソロシイ。

GW中はお天気がよくて着物をいろいろ替えられて楽しかったのですが、ちょっと暑さが辛かったです。私が一人でムシムシしているのは良いのですが、汗をかいたり日に当たりすぎると髪が崩れやすくなるので・・・・。日傘をさして日陰を選んで、と根性で保たせましたが。地毛結い日本髪は晩秋〜初春くらいが一番いいのかもしれません。

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