加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
加納楽屋口


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日本髪記録 053
 お梶 (おかじ)

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 053 お梶(先笄)


節分きたー!

節分といえば、お化けですね。
関東ではあまりなじみのない風習ですが、花柳界ではやはりお化けをするそうで、先生のお店にもお化け用に髪型を変える鬘が預けられている季節です。

今回は、先生のご提案で「お梶」に結っていただきました。

○髪型

お梶、いわゆる先笄になります。
一を島田にして、残りの毛を笄に掛けて始末し、油付けの毛と手絡で飾り付けたところに、更に橋の毛を掛け、一留めを付けます。
非常にパーツの多い贅沢な頭です。関西では新妻の髪型、襟替直前に舞妓さんが結う髪型として知られています。本によっては、既婚女性は関西では先笄、関東は丸髷を結うとしていて、関西既婚女性の代表的な髪型のようです。

先生に最初、「お梶がいいと思うのよー」って言われたときに、「お梶って初めて聞く髪型だなぁ」と思っていたのですが、形は関西で言う先笄のことだそうです。
「藤十郎の恋」の登場人物、お梶がこの髪型をしているためそのように呼んでいるそうです。

この髪型の特徴である、笄に掛けた油付けの毛束自体を先生は「お梶」と呼んでおられて、このパーツを仕舞った箱には大きく「お梶」と書いてありました。パーツはあらかじめ輪っかに作った物と、伸ばした状態の物があるようです。かなすぎ美容室では巾違いで伸ばした物がたくさん用意されていて、その時の雰囲気や髷の大きさに合わせて付けてくださいます。

日本髪図鑑 053 お梶(先笄)
日本髪図鑑 053 お梶(先笄)
日本髪図鑑 053 お梶(先笄)
日本髪図鑑 053 お梶(先笄)

○感想

日本髪図鑑 053 お梶(先笄)


簪も多くて華やかな髪型ですが、簪の一つ一つは娘っぽい派手な物よりも、手の込んだ大人の女性を思わせるセレクトで、やっぱり既婚なんだなぁと思いました。

この髪を結ったとき、激寒でして、鬢付けの油がカッチカチに固まってました。油付けの輪と尻尾がついているので、壊れにくくて良かったかも。
ただ、寒すぎて長いこと外で撮影はできないという・・・・・。夏よりは、ましなんですけどねぇ。

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