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お千代 |
毛束を櫛に巻き付けたシンプルな髪型「櫛巻き」の変形に、笄を用いた「笄巻き」、簪に替えた「簪巻き」があります。
「お千代」は「笄巻き」にすっぽりと掛け物をした形です。
掛け物は通常紫の布とのこと。
毛の始末は本来の「櫛巻き」だと五体付けのようになっていますが、時代が下がると綾に掛ける方法もあったそうで、この方が自分で結う場合などには手に適ったのでしょう。
この「お千代」に結う時は綾に掛ける方法を採用しています。
五体付けみたいにすると笄がすっぽ抜けちゃうんですよね・・・。
元々の「櫛巻き」は伝法肌の女性の間に流行し、後に一般町家の内儀にも結われたそうですが、
「櫛巻きは嫁の身持ちのくずし初」
などと川柳にうたわれ堅い家庭ではあまり歓迎されなかったとのことで、その変形であるこの髪型もそれほど上品な物ではなかったようです。
形だけを先に発見して、先生曰く「この形は既婚」ということしか情報がなかった髪型です。
最近見つけた資料では「鳶の妻女髪」とのこと。
人の名前が髪型名になっているので、鳶の妻女に有名なお千代さんという人がいたのかなぁ。
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実際に結った記録
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お千代
オチヨ
2015.10