加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
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日本髪記録 004
 乙女島田(おとめしまだ)

娘さんの結う髪型の中では一番重いらしいです。
布天神直後に結ったせいもあってその重さに泣きました。
若い娘さんの代表的な髪型で、上品な印象です。

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 004 乙女島田

どことなく嫁風・・・

新年は何度か振袖で出かける予定がありました。
振袖は華やかで良いけれど、問題はいつもの着物姿のように自分で頭をまとめるわけには・・・。そこで、考えたのですが、セットに行くより日本髪の方が良いという結論に達したのです。
朝早く美容院に行かなくても良いし、一回結えば日持ちするし。何より、洋髪セットより日本髪が好きだ!!!(←結局これにつきます)

ついでに、卒業式の振袖用にセットした時、ヘアピンでイタイ思いをし、市松人形風に揃えた前髪をパキパキに固められてからちょっと洋髪セット不信なのです・・・・。

○髪型

未婚女性の髪型の代表選手です。
未婚の女性といえば島田ですし。「三十振袖、四十島田(年に似合わぬ若作りをすること)」なんていう言葉もあるくらいなのでやはり若い娘さんのトレードマークかと。
時代劇だと武家筋のお嬢さんが結っています。なので、個人的には格調高い髪型というイメージが。

今回は鬢と前髪がとても小さいです。ええ、新日本髪?っていうくらいに。
これは先生の「お嬢さんは前髪と鬢は小さく上品に!」 というこだわりのようです。
髷がとても高くて存在感があるのでその方がバランスが良いです。大きく結ったら花嫁さんになってしまいますね。
髷に付けてピンと立てた元結いの束がどことなく花嫁風ではあるのですが・・・。

前回の布天神とは逆に、この髷は娘さんのする髪型の中で一番重いそうです。日本髪としても(太夫などの特殊な物をのぞけば)一番重いのが島田だとか。確かにとても重かったです。

そして、この髪型、花嫁さんが文金高島田の前に慣らしとして結った髪型でもあることから別名「催促島田」。先生に「催促島田結ったから、次は文金高島田ね!」と言われてしまいました。
相手がいれば良いんですけどね・・・(遠い目)。いやいや、私にはまだまだ未婚の髪型でやりたいのがいっぱいあるんですよ、先生!

○感想

重かったです。
本当に、重かったんです。

髷が頭の外に飛び出した形でバランス的に重いだけでなく、髷を綺麗に見せるため大量のかもじを足しているのでさらにずっしりと・・・・。その重みが元結い一点に掛かるのでいつもそこが引っ張られる感じがしました。日本髪ではげるとか、髪が切れるというのが実感としてわかった髪型です。寝るときも大変でした。髷が頭にくっついていないので横向きで寝ると髷がずれてさらに重いし、仰向けは例に一度やってみましたがさらに重さが厳しかったです。
地毛結い日本髪体験で一番最初にこの髷を体験していたら挫折していたかもしれません。

でもでも、苦労しただけあるかっこいい髪型でしたよ!
髷が高くて存在感たっぷりなので振袖と合わせてもどちらも引き立て合う感じでした。やっぱり髪型で印象ってだいぶ違う物なのだな、と実感しました。前の布天神がおきゃんな娘さんなら、こちらは上品なお嬢様という印象。着物もいつもなら普段は紬オンリーなのですが、乙女島田の間は菊柄の小紋なんかを出して合わせていました。

日本髪図鑑 004 乙女島田


おめでたいです、本当に(笑)


振袖を着て出かけた先でもいろんな方に褒めていただきました。
日本髪を仕事などではなく結うという趣味は誰にも受け入れられなくても良い・・・そう思って始めたのですが、いろんな方に褒めていただいたり、声をかけていただくとやっぱり嬉しいです。

写真もいろいろ撮ったのですが中でも最高におめでたい一枚が左の写真です。笛の先生のお稽古始めにお邪魔させていただいて、舞台の上で写真を撮っていただきました。いいんでしょうか・・・神聖な舞台の上に上げていただいたりして。本当にありがとうございました。

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©2004 WATANABE Haruka
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