加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
加納楽屋口


広告



日本髪記録 014
 銀杏返し(いちょうがえし)

輪物の代名詞、王道の銀杏返しですが結うのは初めて。
娘さんから女将さんまで幅広い年齢に親しまれた髪型です。
桃割れも、唐人髷もベースは銀杏返しなんですよ♪

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 014 銀杏返し

王道?

だんだん湿度が気になる季節・・・・。
着物はどんどん薄くなって、「着物だから暑い!」という感じではないですが、外気湿度は髪の保ちに影響しそうだなぁ、と心配しつつ梅雨時日本髪敢行。

先生に「え?やらなかった?」って言われてしまうくらい王道な銀杏返し。実はやってなかったので・・・。

○髪型

日本髪図鑑 014 銀杏返し

青玉で涼しくv

時代劇、町人女性の髪型といえばコレでしょうか。
というか、時代劇の女性といえば老いも若きも銀杏返しだったりします。昔の時代劇映画だと日本髪も種類豊富だと思うのですが、最近のは本当に「時代劇一般女性は銀杏返し」みたいな感じで決まり切っている感があります。少女から長屋のおかみさんまでと日本髪にしては幅広い年齢層をカバーする髪型なので仕方ないのかも知れませんが・・・・・。

少女から幅広い年齢層に結われる髪型ですが、やはり桃割れや梅割れに比べればかなり粋な雰囲気になりやすい髪型です。梅割れは「銀杏返しに結うと地味になってしまうお年頃向け」とのことですので、 先月から「梅割れ」→「銀杏返し」と順当に年をとったわけですね、一ヶ月で(笑)

髷の大きさや、高さなどで様々な年齢を表現します。
私の結っていただいたタイプは髷の毛束も太くて、桃割れの印象が抜けきらないような感じでした。まだまだ可愛いお年頃という判定なのかしら。「粋なお姉さん」にはまだなれないです・・・・。

髷に付けた根掛けは翡翠の青玉。単衣もOKになる五月からは日本髪的にはもう夏の扱いになるそうで、玉は冬仕様の赤玉(珊瑚など)ではなく青玉にするそうです。
特に関東の花柳界は簪は一月先取りで付けていく習慣があったそうです。

銀杏返しは、根掛けを使わない場合、丈長を結んだり、布を手絡として入れたりと髷の仕上げバリエーションも豊富。時代劇は布を入れたタイプが多いかも?

また、 盛夏になると根掛けや簪類は変わり物の出番。硝子、水晶、銀などを使い涼しさを演出します。

もっとこの髪型の写真を見る

日本髪図鑑 014 銀杏返し
日本髪図鑑 014 銀杏返し
日本髪図鑑 014 銀杏返し
日本髪図鑑 014 銀杏返し

○感想

輪物なので軽いです。頭に密着しているのでとても楽な髪型の一つだと思います。
時代劇の町娘姿で定番になっているせいか、桃割れと並んで、多くの人が名称を知っている髪型ではないかと。日本髪姿で知らない人から声を掛けられるときに、「桃割れ?」あるいは「銀杏返し?」と尋ねてくる人が多いです。でも実際に、それを結っていたことはなかったり・・・・。桃割れは既に自分自身がその髪型に対して賞味期限切れなので一度もありません。銀杏返しは今回が初めて。なるべく早いうちに可愛い娘の髪型をやりたかったので後回しになっていたんです。

地毛ではないですが、京都旅行で太秦映画村で町娘扮装をしたときもこの髪型でした。全カツラでしたが。一般的な町娘と言えば、やっぱりこの髪型かなぁ。良いお家のお嬢さんになるとまた違うのでしょうけど。

○おまけ ☆町娘三点セット☆

町娘/銀杏返し 町娘/黒繻子の掛け衿 町娘/角だし

■銀杏返し(布手絡)

やはりこの髪型で(笑)
町娘だと布手絡タイプが多いような。商家のおかみさんになると根掛けをしていたり。
太秦では塗りの櫛と玉簪、ビラ付きのつまみ簪がついてます。前髪も砂紐やちんころ掛けが付属。かなり物持ちな町娘ですね。

■黒繻子の掛け衿

時代劇の衣装といえばこれ。実際、日本髪で着物生活しているとやっとくと良いと思う。衿はどうしても汚れやすいです・・・。色つきの半衿も汚れが目立ちにくくて重宝です。
古写真では手拭いを掛けていることも。

■角出し(腹合わせ帯で)

裏が黒繻子。前は黒い部分が少し見えるように折り返して巻いてます。角出しは帯締め不要。枕も不要。紐一本使ってますが帯の中にしまってしまうとほとんど見えないので、まるで帯だけで結んでいるみたい。

広告

もどる


©2004 WATANABE Haruka
E-mail:info2014@jeis-kanoh.co.jp