加納楽屋口 -- 日本髪マニアの店長が(有)加納のアクティビティや日本髪の話題をお届けします
 
加納楽屋口


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日本髪記録 001 
 結綿(ゆいわた)

日本髪を結えるようになったらまずコレ!と決めていた結綿を結ってもらいました。
髷が綿を束ねたもの(結綿)の形に似てるからこの名前なんだとか。結綿の紋もあるらしい。
愛らしい娘さんの髪型です。

○いきさつ・・・

日本髪図鑑 001 結綿

都会の中の日本髪(笑)

日本髪を結いたくて、結ってくれる所を探していたのですが、なかなか良い情報がなくて「これはもう京都まで行くしか!?(←極端な)」と思っていました。
その矢先、上野のつげ櫛の老舗、十三やさんで、今もお世話になっているかなすぎ美容室の大庭先生を紹介して頂きました。

前髪が伸びるのを秋まで待って、どきどきしながら電話して、髪の長さを見てもらいに行って・・・と その後はトントン拍子に事が進み、第一回日本髪体験に。

○髪型

髪型は、結綿。
『日本の髪型』で一目惚れして地毛で結うならこの髪型と心に決めていました。
つぶし島田に手絡をかけた娘さんらしい髪型です。つぶし島田でも、いち(髷の後ろの部分)がまあるく作ってあるのが娘さんの特徴。
手絡は麻の葉模様の絞りです。「やっぱり麻の葉がいいんだよ。ほら、麻の葉って幸せに関係あるでしょ?」と先生がかけてくださった物。中に綿を入れてあるのでふっくらしています。ちなみに、この手絡は着脱不可。結ってもらったらほどくまでそのままです。ほどけないように布先を元結いで括って結び目の中に隠してあります。
ちなみに、京都の舞妓さんがお姉さんになると「割れしのぶ」から「おふく」に結い替えるように、半玉さんは「桃割れ」からこの「結綿」に髪型を変えるそうです。

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日本髪図鑑 001 結綿
日本髪図鑑 001 結綿
日本髪図鑑 001 結綿
日本髪図鑑 001 結綿

○感想

日本髪図鑑 001 結綿

今見るといろいろぎこちない・・・

正直、想像と違った・・・・(←いや、悪い意味でなく!)
私が髪型を選ぶときに見ていた本は京都のもので、髪型もきわめて京都らしいものだったんです。前髪はこんなにしっかりしてないし、髷も小さくて、たぼはきりりっと上がっていて・・・。日本髪に京風と東京風の違いがあるなんて知らなかったのでできあがったときは髷の大きさや全体のボリュームにびっくりしました。
かえって、想像していたものよりむっちりとして可愛らしい結綿になりました。

初めての日本髪で頭のバランスの取り方がなかなかつかめず最終日間近までふらふらしていました。
日本髪を結ったら現代的な印象の着物や帯が合わず、急遽袖を長く作った昔風味の着物を引っ張り出したりと大騒ぎ。 そして、今回は色々あって油を大量に使って結って頂いたので、一晩寝ると箱枕の油よけのカバーに油がついてぺったりしてしまって、驚きました。今思えば気候もよくそれほど汗の出る陽気ではなかったのに、普通にしていても顔に油がしっとりと馴染んできてました(←イヤン)。
箱枕にはどうして和紙が巻いてあるのかとか、時代劇の女性達がなぜ着物に黒い繻子の衿をつけているのかがよくわかった結綿体験でした。

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